今回は無痛分娩で出産したときのことを書きたいなと思います。
2018年8月に出産した第一子の男の子は、無痛分娩で出産しました。
厳密にいえば、はじめから無痛分娩を希望していたわけではなく(希望はしていたけれど予約が取れなかった)予定日超過で計画誘発分娩になったのですが、わけあって結果的に無痛分娩を体験することに。
つまり途中までは通常分娩、途中から無痛分娩になりました。※陣痛は十分に経験しました
わたしが経験したこそ分かった無痛分娩のこと、陣痛~麻酔を打ってからの痛みの変化、無痛分娩に切り替わってよかったことと悪かったことの両方を書いていきたいなと思います。
無痛分娩の良かったこと・良くなかったこと
無痛分娩の「良かった」ところ
①出産予定日を決めて出産に臨むので、心の準備ができる
無痛分娩の場合、赤ちゃんの発育状況や母体の安全を考え、医師の判断で最適だと思われた日程に計画的に出産を行います。
通常の分娩の場合は自然に陣痛が起こってから陣痛の間隔を計り病院に移動しますが、無痛ではあらかじめ予定日を決めたうえで前日に入院し、翌朝から陣痛を誘発するパターンが多いので、入院の準備や心の準備、パパの休日の調整をすることができます。
とはいっても、予定していた日にち以前に突然陣痛がくることもあります。そういった場合には希望していた無痛分娩ができなくなってしまうことももちろんあります。
②陣痛の痛みが和らぐことで、落ち着いて正しく呼吸ができた
わたしの場合、陣痛の間隔が短くなっていくにつれて正しい呼吸をすることが難しくなってしまいました。
お母さんの呼吸が浅くなると胎児に運ばれる酸素も減ってしまい、赤ちゃんも苦しくなってしまいます。
一時的にであれば問題ありませんが、この状態が長く続くと危険な状態になりかねないため、陣痛の痛みの中でもお母さんは深く息を吸って吐く、正しい呼吸を続けていないといけません。
わたしの場合は助産師さんの声掛けでなんとか深い呼吸を意識してはいましたが、すこし気を抜くとまたすぐに呼吸が浅くなっていたようです。麻酔を打って無痛に切り替わってからは、痛みは軽い生理痛程度にまで抑えられたため、本来マックスに痛いタイミングの分娩中でも落ち着いた呼吸を続けることができました。
③子宮口の開きを確認する内診グリグリでも、力を抜くことができた
妊娠後期になると妊婦検診などで経験したママさんも多いかもしれませんが、子宮口の開きを確認する通称「内診グリグリ」ってありますよね
分娩時にも、お産の進みを確認するために何度もこれを経験することになります。
この内診時に本来は力を抜かなくてはならないのですが、わたしは痛みに耐えるためにどうしても息を止めて力を入れてしまいます。
そのため正しく子宮口の開きを計れないだけでなく、お産の進みも悪くなってしまっていました。
しかし麻酔をして無痛分娩に切り替えると、内診グリグリをしているときでもその感覚はほとんどなく、力を抜いてリラックスした状態でいることができました。
④会陰切開&縫合の痛みを感じず、冷静に赤ちゃんと対面できた
はじめてのお産を控えて、わたしが一番ビビっていたのが「会陰切開」とそのあとの「縫合」だったのですが、下半身は麻酔が効いた状態のため、会陰切開をしたことにも気づきませんでしたし、縫合中も痛みや違和感を感じずに赤ちゃんとのカンガルーケアを行うことができました。
無痛なしの自然分娩で出産したママさんの中には「会陰切開は気づかなかった」「縫合も痛くなかった」という方も多いのですが、そんなわけないやろ…っていまだに思っています
会陰切開や縫合のことを一切考えず、赤ちゃんが出てきた瞬間や出てきた直後の姿を冷静に見ることができたり、立ち会った夫と話をしたりすることができたのも無痛分娩でよかった点の一つです。
無痛分娩で良くなかったところ
①下半身の感覚がほとんどないため、上手くいきめなかった
お産の終盤になると、赤ちゃんを出すためにお母さんは陣痛のきたタイミングに合わせてぐぐぐーっとお腹に力を入れていきみます。
いきみは「陣痛のタイミングに合わせること」がとても大切です。
しかし麻酔をしてしまうことでこの陣痛を感じにくくなり、感覚も鈍っているため、タイミングを計りにくくなりますし、力を入れにくくなります。
②上手くいきめず、吸引、クリステレル圧出法、鉗子分娩に
無痛にしていてもしていなくてもこうなっていた可能性はありますが…
わたしの場合は上手くいきめずに時間が経ってしまったこと、胎児の頭囲が大きかったことなどが原因で胎児が出てこれず、吸引を2回、先生がお腹を外側から圧迫して押し出す「クリステレル圧出法」、最終的には鉗子を使って出産しました。
鉗子というのは、金属製のへらのような器具で赤ちゃんの頭を挟み、引っ張り出す分娩方法です。
吸引分娩には少なからず赤ちゃんにストレスがかかるため新生児黄疸のリスクが高まることがあったり、鉗子では赤ちゃんのおでこや頭部にちょっとした挫傷ができたりすることがあります。
③息子が新生児黄疸で入院が長引いてしまった
これは直接的に無痛分娩が原因ではありませんが、酸素の少ない状態が続いてしまったことや、分娩時の吸引や鉗子などのストレスなどもあり、新生児黄疸が通常よりも強くでてしまい、その照射療法のために入院が2日延びてしまい、私と一緒に退院することができませんでした。
自然分娩だったら一緒に退院できたかどうかはわかりませんが、産後はナイーブになっていたのもあり、もっとちゃんとお産が進んでいたら…なんて考えたこともありました。
実際には新生児黄疸は照射治療をすればほとんど症状がでることもなく、まぁまぁよくあることだと先生もおっしゃっていました。
④産後、麻酔が切れた後に痛すぎて一睡もできなかった
わたし以外の無痛分娩だったママさん何人かに聞いてみても私と同じ経験をしたひとはいなかったのですが、麻酔が切れた後は会陰部や子宮のあたりが激痛でした。
出産したのは17:30だったのですが、その日の夜は痛みで全く眠れず、一晩中痛みに転げまわっていました。
夜中に何度もナースコールを押して、痛み止めを求めましたがそれでも耐えられず、一睡もしないまま朝を迎えました。
傷が化膿したり、特別腫れたりしているような様子はなかったので、先生にもはっきりとした原因がわからなかったようですが、おそらく鉗子でできた裂傷が痛んだんだろうということでした。
これも無痛分娩が直接的な原因ではないものの、麻酔なしの自然分娩ならば分娩の時にマックスの痛みが、忘れたころに麻酔が切れてどかーーっとまとめてやってきた感じです。
産後にママ友と出産の話をしても同じ体験をした人は見つからなかったので、恐らくこんなに苦しむパターンはまれだとは思いますが、難産で、鉗子などの医療的な介入があった場合はこういうこともあるんだなぁと大変勉強になりました。
それでも2人目はまた無痛分娩で産むと決めている
わたしは現在第2子を妊娠中ですが、2人目もまた無痛分娩で出産したいと思い、予約をとりました。
理由はいろいろありますが、一番大きな理由はわたし自身「出産が怖い、トラウマ」だと感じているからです。正直、2度目とはいえやはり出産を怖いと思っています。
それでももう一人子供を持ちたいというのは私たち夫婦の願いであり、私たちの子を産むことができるのはわたししかいません。
そんな葛藤もあり、無痛分娩はわたしにとってはお守りのような、なんとか少しでも前向きにその日を迎えるための心の拠り所でもあります。
「痛みに弱い、出産が怖い、でも子供は欲しい。」
そんなママが少しでも安心して出産をするための一つの手段として「無痛分娩」という方法があるのではないかなと思います。
もちろん前述のようにデメリットに感じることも全くなかったわけではありませんが、わたしの場合は麻酔という手段なしでは長男の出産を乗り越えることができなかったと思っています。
無痛は甘えだとか、お腹を痛めて産まないといけない!みたいに言う人が時々いるみたいですが、そういうのは本当に余計なお世話だな~と思います。
無痛分娩は海外では普通ですし、傷があれば麻酔が切れた後は普通に痛みます。
傷はなくても後陣痛は容赦なく襲ってきます。産後1ヶ月は悪露が出つづけ、お尻は痔に悩まされます。産んだ後はすぐさま痔に悩みながら不眠不休で慣れない授乳や赤ちゃんのお世話でボロボロになります。
とにかくどんな方法であれ、母子ともに健康でお産を終えることが最優先だと思うのです。
実際に無痛分娩を経験してみて、初産のママはもちろん、経産婦のママにとっても無痛分娩のメリットは多々あると感じました。
これからはもっと、自然分娩でも帝王切開でも無痛分娩でも、すべての妊婦さんが自分のお産に誇りと自信をもてる世の中になったらいいなと思います。
追記:2人目も無事に出産を終え、忘れないうちに詳細に体験談を記録しておきました。こちらも参考になれば嬉しいです⇩