わたしはあまり教育熱心なタイプではないのですが、ガチャガチャにハマった息子になんとか我慢を覚えてもらうため、3歳頃からゆるくお金の教育を始めました。
結果、お金の概念を彼なりに学びながら少しずつ理解し、最近ではガチャガチャを前にしても”自分の意志で我慢”ができるようになりました。
今回はそんな我が家の”お金教育”のお話をしたいなと思います。教育というほど堅苦しいものではないのですが、こういうお家もあるんだな~と参考にしていただければ幸いです。
ガチャガチャにハマって、見るたび大騒ぎ
息子が2歳半を過ぎた頃でしょうか。親子でトーマスの「カプセルプラレール」にハマりました。
お目当てのキャラクターはなかなか出てこず、何度回してもレールしか出てこなかったり、我慢しようと思っていると新シリーズが登場→課金!
お買い物に行くスーパーの出入り口にもガチャガチャコーナーがあり、通るたびに欲しいと大騒ぎ。「1回だけね…」と言いながらガチャガチャを回す日々。
「このままじゃダメだ!」
と感じ、思い切って息子と真剣に”お金の話”をしてみることにしました。
少しずつ我慢を覚えるための「お金教育」
“お金教育”というと、投資や金融のような堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、我が家のそれはもっともっと基本の段階です。
だんだんと知恵がついてきて、誤魔化しが効かなくなってきた3歳児。幼いながらに意思を持つようになった彼に、しっかりと納得してもらったうえで折り合いをつけたいと思いました。
【お金がないならパパにもらえばいい】と思っていた息子を相手に、お金の大切さや「使ったら無くなる」ということを理解させた方法を紹介します。
本人の意思を尊重しながら、我慢の練習
「実はガチャガチャ1回のお金でこの納豆が9パックも買えるんだよ!」
「え!大好きな5個入りのあんぱん、ガチャガチャのお金で2つも買えるって!」
まずはそんな風にして、大好きな食べ物を引き合いに出しつつ思い出した時にちょっとずつ物の価値を伝えるように心がけました。
数字で言っても難しいので、身近なものの値段を「これとこれがおなじ値段」と伝えると好奇心旺盛な息子は興味を持ち、面白がっていました。
そのうち「このお金でガチャガチャをするか、ジュース買うか、どっちがいいかな?」と、お買い物中に相談して本人に選ばせてみるようにしました。
ガチャガチャを選んだらダメ!ではなく、ガチャガチャやるならジュースを我慢。ジュースを買うならガチャガチャは我慢。というように、どちらかを1つだけを選ぶ、とてもハードルの低い小さな我慢です。
(「甘すぎるのでは」と思う方もいるかもしれませんが、以前はジュースを買ったうえでガチャガチャもしていたのです…我々親子にとっては大きな一歩です。)
この時、選ばせるからには本人の意思を尊重して、決して否定せずに「今日はこれを選んだんだね!いいね!」と肯定する言葉をかけて一緒に楽しむようにしました。
以前は「今日はガチャガチャはしないよ!」と約束していても、いざ目の前にすれば「そんな約束はしていない!」と言い張るのがあるあるでした。
言った言わないで揉めるよりも、選択肢を与えて本人に選ばせることで責任感も芽生え、少しずつ無理なく我慢ができるようになってきたように感じます。
“お金を貯める”ことを始めてみた
どちらかを選ぶ小さな我慢にも慣れてきた頃、今度はもう少しだけハードルを上げた我慢の練習を始めることにしました。
息子の場合はこの時期「カーズ」にハマっていたので、カーズのトミカを買うことを目標に設定。「ガチャガチャを我慢してお金を貯めて、トミカを買おうね♪」といいながら、本人も納得してガチャガチャの誘惑に勝てるようになりました。
大好きな新幹線の小銭入れもゲットして、本人もお金を貯めることを楽しみ始めました。
お金が貯まったら、どのトミカを買おうか~♪なんてウキウキしているうちに、気づくとガチャガチャを見かけても「これやるお金があったらトミカ買えるもんねぇ?」と言い、すっかり駄々をこねることもなくなっていました。(毎回、カプセルプラレールがあるかどうかの確認だけはします。)
だからといって、お買い物に行くたび、ガチャガチャを欲しがるたびにそのぶんのお金を与えているわけではありません。時々祖父母に会った時にお小遣いをもらったりしながら、コツコツと自主的に貯金をしています。
以前祖父母は1度に1000円札でお小遣いをくれていたのですが、”お金を貯めてトミカを買うことを楽しみにしている”ということを共有したところ、「我慢も覚えなきゃね」と1回の金額を200円程度に抑えてくれるようになりました。
目標を達成した息子に、わたしは「ガチャガチャたくさん我慢できたもんね!がんばったよね!」と、ともに喜びをかみしめ、褒めます。すると本人は「また頑張ってトミカ買おうね!」とやる気になります。
このようにして、息子は自ら進んでお金を貯めることが出来るようになりました。
個人的には、幼児があまり大金を手にするのは良くないかなと思っています。
それに目標があまり大きすぎても、達成するまでに時間がかかり難しいと思います。ガチャガチャと天秤にかけたときに「ちょっと頑張ってみようかな!」と思えるような、ガチャガチャよりもちょっとだけいいもの、本人の好きなものを目標にするのがおすすめです。
興味を持った時がはじめどき!
改めて感じたのは「○歳になったら始めなきゃ!」「○歳だからまだ早すぎる!」というよりも、本人の興味の出たタイミングで、年齢や成長に合ったスピードで教えてあげるのがいいのかなと思いました。
ガチャガチャをきっかけにしてスタートした我が家のお金の教育。実際のお金を持たせることに関しては正直まだ早いのかな…と考えたこともありました。
しかしやってみると、思っていたよりもしっかりと「欲しいものと必要なもの、買えるものと買えないもの」「使ったら無くなる」という基本的なお金の概念を本人なりに学んでくれたようで、やってみてよかったなと思っています。
最近は、ダイソーやセリアの商品はほとんど全部110円で買えるということを教えたら目をまん丸くして驚いていました。私たちにとってはすっかり当たり前になってしまいましたが、改めて考えたらすごいことです。
幼児のうちから「お金」に触れさせることに抵抗がある方ももちろんいると思います。各家庭のやり方や方針があり、それぞれ違うのは当たり前に思います。
お金がすべてではないし、お金よりも大切なことだってたくさんある。でも現実問題お金がないと何もできないし、お金がなければ生活できません。
幼少期のうちから正しいお金の使い方や金銭感覚を身に着けることは、お金やものを大切にする感覚にもつながるのではないでしょうか。
実際に使ってみたり、買って失敗してみたり、そんな経験をしながらゆっくりと育んでいけたらと思っています。
大切なお金の話だから、興味の湧いたときに、その子の性格や成長に寄り添う形で、親子で正しくお金の概念を育んでいけたら理想的ですよね。