離乳食後期になると、いろいろな人に「手掴み食べはさせたほうがいいよ〜」なんて言われますよね。
しかし赤ちゃんが素手で食べ物をつかんで食べる「掴み食べ」はとにかく汚れる!
片付けが大変!という理由から、やらせないというママも多くいます。やってみると本当に大変です。1日3回の食事が毎度のようにこんな感じです⇩(床までびったびた)
そこまでして「手掴み食べ」を赤ちゃんに練習させてあげるメリットとはどんなものなのでしょうか?散らかる・片付けが大変などの大変さばかりではなく、手掴み食べならではのいいところをまとめていきたいと思います。
メリットとデメリットを比較して、それぞれの赤ちゃんやママにあったスタイルや方針が見つかるといいですね♪
掴み食べをするメリットとは?
脳を刺激し、感覚や運動機能を培う
赤ちゃんは生後5ヶ月頃から手に持ったものをなんでも口に運び、舐めたり、しゃぶったりしながら物の形や柔らかさや感触などを確認し、認識していきます。
これはとても自然なことで、こういった経験を積み重ねることで認知力や感覚機能、運動機能の協調性を高めていきます。
食べ物を掴む、口に運ぶというのも赤ちゃんにとってはとても難しいことですが、繰り返すことで握る力のコントロールや自分が口に入れられる量、距離感などを学び、これがのちのスプーン食べの基礎を作ります。
皮膚と脳は密接に関係しているため、食べ物に手で触れながら食べることで「温度」「やわらかさ」「質感」などを感じることで脳に直接刺激を与え、赤ちゃんの発達に良い影響を与えてくれます。
バナナはそうっと掴まないとぬるっと逃げてしまいますし、お豆腐は優しくつままないとぐちゃっと潰れてしまいます。こういったことも、赤ちゃんは実際に経験しながら学んでいきます。初めから上手には出来ませんから、長い目で見守りましょう。
スプーン・お箸への移行がスムーズになる
十分に掴み食べを経験させてあげることで、食べ物と自分との距離感や自分の口に入れられる分量などを学び、これがスプーンやお箸で食べるようになった時に活かされます。
実際に、掴み食べをせずにいきなりスプーン食べをし始める子供よりも掴み食べをしていた子供の方が上手に食べられることが多いそうです。
「手で食べる」という動作は一見お行儀が悪いように見えてしまうかもしれませんが、結果的に上手にスプーン食べができるようになるのであればこの時期だけは存分に手で食べさせてあげても良いんじゃないかなとわたしは思います。
偏食や少食になりにくい
0~1歳の頃に、自分の食べたいものを選び、手に取り、口に運ぶことで「食事は楽しい」という経験をさせてあげることで「食べる意欲」を育みます。
食事=楽しいというイメージが、少食や偏食の予防のひとつになるそうです。
掴み食べをし始めると、最初は食べ物だと分からずにお皿ごと投げたり、手でバンバン叩いて潰してしまったり、遊び食べをします。
しかしここでママがイライラしたり、怒ってばかりいると赤ちゃんは「食事は楽しくないもの」と思ってしまいます。これではせっかくの手掴み食べも本末転倒です。
慣れるまでは大変ですが、こういうものだと覚悟した上でどんと構えて温かく見守りましょう。
手掴み食べはいつから始める?
離乳食後期の9〜11ヶ月頃、バナナくらいの固さのものを歯茎で潰せるようになったら手掴み食べを始める時期です。
「手で触って食べたい!」と自分からやりたがる子にはぜひ積極的にやらせてあげましょう。
やりたがる子もいれば、食材の感触が苦手で掴み食べをしたがらない子もいます。苦手な子には無理強せず、触りたそうにしていたらやらせてあげたり、ベタつかず持ちやすい食べ物をお皿に入れて置いて自分から触るまで様子をみてあげてもいいかもしれなせん。
個性に合わせて様子を見ながら、その子に合ったタイミングで始められるといいですね。
掴み食べのはじめかた
掴み食べをスタートしたからといって、いきなりモリモリ食べることはできません。
最初はナデナデしたり、握りつぶしたり、叩いたり、投げたりします。そのうち食べられることがわかって自分で口に運び始めます。
食べ物だと認識するまではママが手に持って赤ちゃんの口元に運んであげたり、同じものを手で持って食べるお手本を見せてあげるのもいいですね!
慣れるまでは掴み食べ用の茹で野菜スティックを手で直接手渡してあげてもいいですし、興味を示すまでお皿に入れて目の前において様子をみてあげてもいいですね。(うちはお皿ごと置くと光の速さで投げられますが…)
”ついで”に掴み食べもできちゃうレシピなら楽々
掴み食べをし始めたころは、せっかく掴み食べ用のゆで野菜スティックやおやきなどを用意しても上手に食べてくれないどころか投げられて終わってしまうことも多々あります。
そんなときは、「ついでに掴み食べもできる」ようなメニューを取り入れるとぐっとハードルが下がりますよ◎
たとえば持ちやすい大きさの野菜を入れたスープやお味噌汁なら、手掴み用の野菜だけ取り分けて、水分を軽く切ってあげれば「手づかみ用」と「ママがあげる用」のメニューが同時に完成します。一石二鳥!
普段通りの手順で作れて手間がかからないので、万が一食べてもらえなくてもショックが少なくて済みます。(見せるほどのものでもないですが、こんな感じ⇩)
サイコロカットのお豆腐と、くし切りにしたカブを柔らかくなるまで煮たお味噌汁です。ママがあげる用に取り分けたほうの具材は、スプーンなどで一口大に切りながらあげるといいですよ♪
また、バナナは縦長に切ってあげてそのまま持たせてあげられるので簡単です。慣れるまではにゅるんと逃げてしまい上手くつかめませんが、何度も繰り返すうちに上手に食べられるようになります。
慣れてきたら、卵焼きやおやき・お好み焼きにも挑戦!
手掴み食べに少し慣れてきたら、本格的な手掴みメニューを作ってあげましょう。
簡単なのは「卵焼き」です!しらすや細かく刻んだ野菜、青のりなどでアレンジもしやすくバリエーションが持てるのでいろいろ作れておすすめです。
ちなみにこの小麦粉の量をもっと増やせばお好み焼きにもなります。もちっとして食べやすいうえに、べたべたせず散らかりにくいのもいいですね(^^)
丸く焼いたら、写真のように「持った手から少し出るくらい」の長さのスティック状に切ってあげると食べやすいようです。
《追記》
下の子がもうすぐ1歳になるということで、わたしにとって2度目の手掴み食べ地獄がはじまりました。笑
良くも悪くも手を抜くことを覚えて、最近はアンパンマンのスティックパンをサンドイッチにして与えたりしています。
簡単にできる上に食パンで作るよりも汚されにくいので、忙しい朝とか、時間のない時の掴み食べにおすすめです…!
焦らず、楽しく手掴み食べに挑戦してみよう
実際にやってみると、ただでさえ忙しい上に1日3回の食事の準備・片付けの負担が増えてとにかく大変な「手掴み食べ」。
ついつい余裕がなくなってしまい、食べ物を投げられると悲しくなってしまったりイライラしてしまいそうになることもありますが、そうなってしまうと赤ちゃんも嫌な気持ちになり、食事を楽しめなくなってしまいますよね。
掴み食べをさせるなら、食べなくても割り切るくらいでないといけないのかもしれません。
床には新聞紙を敷く、汚れてもいい洋服を着せるなど準備を万端にしてから余裕をもってチャレンジさせてあげたいですね。
手掴み食べが上手にできるまでの練習期間はママにとって特に大変ですが決して無駄ではありません。今しかできないこの経験は必ず赤ちゃんの成長のためになるはずです。ぜひ離乳食後期には積極的に「自分で食べる」経験をさせてあげたいですね。